iPhoneの初期設定後にデータ移行する方法<br>クイックスタートを使わないやり方も解説

新しいiPhoneを手に入れて初期設定を完了させたものの、あとからデータ移行のことを考えて困ってしまった経験はありませんか。機種変更時にクイックスタートを使わずに設定を進めてしまったり、旧iPhoneを手放してしまった後でデータ移行の必要性に気づくケースは意外と多いものです。

この記事では、iPhoneの初期設定後にデータ移行を行う具体的な方法を詳しく解説します。iCloudバックアップからの復元、パソコンを使った移行、個別アプリのデータ引き継ぎまで、あなたの状況に合った最適な方法が見つかります。大切な写真や連絡先、LINEのトーク履歴も安全に新しいiPhoneへ移せるようになりますので、ぜひ参考にしてください。

iPhone初期設定後のデータ移行が可能な理由

初期設定を完了させてしまった後でも、実はデータ移行を諦める必要はありません。Appleが提供している複数の移行方法を活用することで、大切なデータを新しいiPhoneに引き継ぐことができます。

データ移行の基本的な仕組み

iPhoneのデータ移行は、基本的にバックアップファイルから情報を復元する仕組みです。旧iPhoneで事前にバックアップを作成しておけば、新しいiPhoneでそのデータを読み込んで元の環境を再現できます。

バックアップには大きく分けて3つの方法があります。クラウド上に保存するiCloudバックアップ、パソコンに保存するiTunesまたはFinderバックアップ、そして個別アプリごとのデータ同期です。これらを組み合わせることで、ほぼ完全なデータ移行が実現できます。

バックアップを使ったデータ移行のメリット

クイックスタートは便利な機能ですが、初期設定時にしか使えないという制約があります。一方、バックアップを使った移行方法なら、いつでも好きなタイミングでデータを復元できる柔軟性があるのです。

また、バックアップファイルは複数保存しておくことも可能なので、万が一の際の備えとしても安心感があります。旧iPhoneが手元になくても、事前にバックアップを取っておけば問題なくデータ移行を進められます。

【iPhone初期設定後】iCloudを使ったデータ移行の手順

最も手軽で確実なデータ移行方法として、iCloudバックアップからの復元があります。インターネット環境さえあれば、いつでもどこでもデータを復元できる便利な方法です。

旧iPhoneでのバックアップの作成手順

まずは移行元となる旧iPhoneでバックアップを作成しましょう。設定アプリを開いて、画面上部のApple IDアイコンをタップします。次にiCloudを選択し、iCloudバックアップの項目を確認してください。

iCloudバックアップがオンになっていることを確認したら、今すぐバックアップを作成ボタンをタップします。Wi-Fi環境下で実行することで、データ通信量を気にせずスムーズにバックアップを作成できます。バックアップにかかる時間は、データ量によって数分から数時間程度です。

iCloudバックアップから新iPhoneへ復元する手順

新しいiPhoneで復元を行うには、一度デバイスを初期化する必要があります。設定アプリから一般を選択し、転送またはデバイスリセットの項目を探してください。すべてのコンテンツと設定を消去を実行すると、工場出荷時の状態に戻ります。

初期化後、セットアップ画面でApple IDにサインインします。復元方法を選択する画面で、iCloudバックアップから復元を選び、先ほど作成したバックアップファイルを指定しましょう。復元作業は自動で進みますので、完了まで電源を切らずに待つことが大切です。

データ移行が終わったら何を確認すればいい?

復元作業が完了したら、主要なデータが正しく移行されているかチェックしていきます。連絡先アプリで電話番号やメールアドレスが表示されているか、写真アプリで過去の画像が見られるかを確認してください。

アプリについては、App Storeから自動的にダウンロードされる場合がほとんどです。ただし、一部のアプリは手動でダウンロードし直す必要があるかもしれませんが、データは保持されているので安心してください。

【iPhone初期設定後】パソコンを使ったデータ移行の方法

パソコンを経由したデータ移行も、確実性の高い方法として人気があります。特に大容量のデータを扱う場合や、インターネット環境が不安定な場合には重宝します。

パソコンで旧iPhoneのバックアップを作成する

WindowsならiTunes、MacならFinderを使ってバックアップを作成します。旧iPhoneをパソコンに接続すると、デバイスが認識されて専用の画面が表示されます。バックアップ設定で、このコンピュータを選択しましょう。

暗号化バックアップにチェックを入れることで、パスワードやヘルスケアデータなど、より詳細な情報も含めてバックアップできます。パスワードを設定して、今すぐバックアップボタンをクリックすれば作成開始です。

新iPhoneへの復元手順

新しいiPhoneも同じパソコンに接続し、先ほどと同様の画面を開きます。バックアップを復元の項目から、作成したバックアップファイルを選択してください。暗号化バックアップを使用した場合は、設定したパスワードの入力が必要です。

復元処理中は絶対にケーブルを抜かないよう注意しましょう。途中で接続が切れてしまうと、データが破損する可能性があります。復元処理には30分~1時間程度かかりますが、これはデータ量やPCの性能、ケーブルの規格によって大きく変動します。時間に余裕を持って作業しましょう。

ネット環境がなくても安心!パソコンでデータ移行するメリット

パソコンを使った移行方法には、いくつかの大きなメリットがあります。まず、インターネット回線の速度に左右されずに作業を進められることです。また、バックアップファイルがローカルに保存されるため、プライバシー面での安心感もあります。

さらに、複数のバックアップファイルを保存しておくことで、特定の時点の状態に戻すことも可能です。定期的にバックアップを取る習慣をつけておけば、万が一の際の保険にもなります。

iPhoneのデータ移行で注意すべき個別アプリの引き継ぎ

バックアップからの一括復元だけでは完全にカバーしきれない、個別アプリのデータ移行についても詳しく見ていきましょう。特に重要なアプリについては、専用の引き継ぎ作業が必要になる場合があります。

LINEのトーク履歴移行

LINEのデータ移行は、特に注意深く行う必要があります。まず旧iPhoneのLINEアプリで、設定からアカウント引き継ぎを選択し、アカウント引き継ぎをオンにしてください。有効期限は36時間ですが(※2025年8月時点)、仕様が変更される可能性もあるため、作業直前にLINE公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。計画的に作業を進めることが大切です。

トーク履歴のバックアップも忘れずに行いましょう。トーク履歴のバックアップ・復元メニューから、今すぐバックアップを実行します。新しいiPhoneでLINEにログイン後、同じメニューからトーク履歴を復元できます。

ゲームアプリのデータ引き継ぎ

スマートフォンゲームの多くは、独自の引き継ぎシステムを採用しています。Game CenterやGoogle Play ゲームサービスと連携している場合は、新しいiPhoneでも自動的にデータが同期される可能性が高いです。

一方、ゲーム内で発行される引き継ぎコードや、SNSアカウントとの連携が必要なタイトルもあります。プレイしているゲームの公式サイトやヘルプページで、具体的な手順を確認してから作業を進めてください。

iCloud写真(写真・動画)を同期する方法

写真や動画は、iCloudフォトライブラリを有効にしておくことで自動同期が可能です。設定アプリのApple IDメニューから、iCloudを選択してフォトライブラリをオンにしましょう。

データ量が多い場合は、Wi-Fi環境での同期がおすすめです。モバイルデータ通信を使用する設定もありますが、通信量を節約したい場合は無効にしておくと安心です。Google フォトやAmazon Photosなど、他のクラウドサービスも同様の手順で利用できます。

iPhoneのデータ移行でよくあるトラブルと解決策

データ移行作業では、様々な問題が発生する可能性があります。事前に対策を知っておくことで、スムーズな移行作業を実現できます。

Apple IDでサインインできない時の対処法

最も多いトラブルの一つが、Apple IDへのサインインができない状況です。パスワードを忘れてしまった場合は、Apple公式サイトのパスワードリセット機能を利用しましょう。登録済みのメールアドレスや電話番号宛に、リセット用のコードが送信されます。

2ファクタ認証を有効にしている場合は、信頼できるデバイスでの認証が必要です。旧iPhoneがまだ手元にある状況なら、そちらで認証コードを受け取ってサインインを完了させてください。

容量不足によるエラー

新しいiPhoneの容量が足りないために、復元作業が失敗するケースもあります。この場合は、バックアップ対象を絞り込むか、より大容量のモデルへの変更を検討する必要があります。

一時的な対処法として、使用頻度の低いアプリを除外してからバックアップを作成する方法もあります。設定メニューのバックアップ項目で、個別にオン・オフを切り替えることができます。

Wi-Fi接続の不安定さ

iCloudからの復元作業中に、Wi-Fi接続が不安定になると作業が中断してしまいます。ルーターの近くで作業を行う、他のデバイスのWi-Fi使用を一時的に停止するなどの対策が効果的です。

どうしても安定した接続を確保できない場合は、パソコンを使った有線接続での移行方法に切り替えることも検討してみてください。確実性を重視するなら、この方法がベストな選択肢になるでしょう。

iPhoneのデータ移行が完了した後の最終チェックリスト

移行作業が完了したら、すべてのデータが正しく引き継がれているかしっかりと確認しましょう。後から不具合に気づいても、対処が困難になる場合があるからです。

連絡先や写真はちゃんと移ってる?基本データをチェック

まずは連絡先アプリで、電話番号やメールアドレス、住所などの情報が正しく表示されているかチェックしましょう。カレンダーアプリでは、予定やリマインダーが引き継がれているかも確認してください。

写真アプリでは画像や動画の総数を確認し、旧iPhoneと同じ枚数になっているかをチェックします。アルバムの分類や、お気に入り登録した項目も含めて確認しておくと安心です。

アプリが正常に動くか確認しよう

インストールされたアプリを一つずつ起動して、正常に動作するか確認していきます。多くのアプリは自動的にログイン状態が復元されますが、セキュリティの高いアプリでは再ログインが必要な場合もあります。

特に銀行系アプリやクレジットカード系アプリは、セキュリティ上の理由で初期設定のやり直しが必要になることが多いです。重要なアプリについては、移行前にログイン情報を改めて確認しておくことをおすすめします。

Face IDやApple Payは再設定が必要?最後の見直し項目

基本的な設定も復元されますが、一部の項目については再設定が必要な場合があります。Face IDやTouch ID、Apple Payの設定などは、セキュリティ上の理由で改めて登録し直す必要があるのです。

通知設定やプライバシー設定なども、念のため確認しておきましょう。特定のアプリからの通知が来なくなった、位置情報の利用許可が変わってしまったなどの問題があれば、設定アプリから調整してください。

まとめ

iPhone初期設定後でも、適切な方法を選択することで安全確実なデータ移行を実現できます。iCloudバックアップなら手軽さが魅力的ですし、パソコンを使った方法なら確実性を重視できます。個別アプリの引き継ぎと組み合わせることで、ほぼ完全な環境移行が可能になります。

トラブル発生時の対策を事前に把握しておけば、慌てることなく作業を進められるでしょう。移行完了後の確認作業も怠らず、新しいiPhoneで快適なデジタルライフをお楽しみください。

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