中古パソコンのCPU選び方ガイド<br>Core iシリーズの違いと性能の見方を解説

中古パソコンを購入するとき、最も悩むのがCPU選びではないでしょうか。Core i3、i5、i7の違いが分からなかったり、世代や型番の見方が難しかったりと、初心者の方には少しハードルが高く感じられるかもしれません。

この記事では、中古パソコンのCPUの選び方について、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。Core iシリーズの性能差から世代の見分け方、用途別のおすすめCPUまで、購入前に知っておきたいポイントをまとめました。記事を読み終える頃には、あなたの使い方にぴったりの中古パソコンを自信を持って選べるようになります。

そもそもCPUって何?中古パソコン選びでの重要性

CPUはパソコンの頭脳とも呼ばれる重要なパーツです。CPUの性能によって、文書作成やインターネット閲覧、動画視聴などの作業がスムーズに行えるかどうかが決まります。

CPUはパソコンの「頭脳」であり快適さの要

CPUはCentral Processing Unitの略で、パソコンで実行される全ての処理を担当しています。例えば、Excelで計算処理をするときや、動画を再生するとき、複数のアプリケーションを同時に動かすときなど、あらゆる場面でCPUが働いてくれるのです。

中古パソコンを選ぶ際は、CPU性能が用途に見合っているかを確認することで、購入後の満足度が大きく変わってきます。性能が不足していると動作が重くなったり、フリーズしやすくなったりする原因になります。

2大メーカー、IntelとAMDはどう違う?

中古パソコン市場では、主にIntel製とAMD製の2つのCPUが流通しています。Intel製では Core iシリーズが主流で、AMD製では Ryzenシリーズが人気を集めています。

Intel Core iシリーズの特徴には、次の4つの特徴があります。

  • 安定した動作と高い互換性。
  • 幅広いソフトウェアとの相性が良い。
  • 中古市場での流通量が豊富。
  • 世代ごとの性能向上が分かりやすい。

一方、AMDのRyzenシリーズはIntel製と比較すると、コストパフォーマンスに優れている場合が多く、特にマルチタスク処理に強い傾向があります。ただし、Ryzenは比較的新しいシリーズのため、中古市場ではまだ流通量がIntel製に及びません。豊富な選択肢から安心して選びたい初心者の方は、まずCore iシリーズから検討することをおすすめします。

中古パソコンCPUの要!Core iシリーズの選び方

Core iシリーズには主にi3、i5、i7、i9の4つのグレードがあり、それぞれ異なる性能と価格帯を持っています。用途に応じて適切なグレードを選ぶことで、コストを抑えながら必要十分な性能を得られます。

普段使いに最適なエントリーモデル「Core i3」

Core i3は、Core iシリーズの中でもエントリーレベルに位置するCPUです。基本的な作業には十分な性能を持ちながら、価格を抑えられる点が魅力的です。

Core i3が得意とする作業は以下の通りです。

  • インターネットブラウジングとメール。
  • Microsoft Officeを使った文書作成。
  • 動画視聴(YouTubeやNetflixなど)。
  • 写真の閲覧と簡単な編集。

軽い作業中心の方にとってはコスパが良い選択肢となります。ただし、複数のアプリケーションを同時に起動したり、重い画像編集作業を行ったりする場合は、動作が重くなる可能性があります。

迷ったらコレ!バランス重視の優等生「Core i5」

Core i5は、性能と価格のバランスに優れ、多くのユーザーにとって満足度の高い選択肢です。多くのユーザーにとって、最も満足度の高い選択肢になるでしょう。

Core i5で快適に行える作業の例をご紹介します。

  • 複数のブラウザタブを開いての作業。
  • OfficeアプリとWeb会議の同時実行。
  • 写真編集ソフトでの本格的な画像処理。
  • 軽度な動画編集とエンコード。
  • 軽いゲームやブラウザゲーム。

Core i5 第8世代以降であれば、ビジネス用途から趣味の範囲まで幅広くカバーできます。中古パソコンを選ぶ上で、Core i5は最も汎用性の高いCPUグレードと言えるでしょう。

専門的な作業もこなす実力派「Core i7」

Core i7は、ハイエンドユーザー向けのCPUで、高負荷な作業でも余裕を持って処理できる性能を備えています。プロフェッショナルな用途や、将来的な性能向上にも対応できる安心感があります。

Core i7が威力を発揮する場面を挙げてみました。

  • 4K動画の編集とレンダリング。
  • RAW画像の大量処理。
  • 仮想マシンの実行。
  • プログラミングとソフトウェア開発。
  • 中程度のゲーミング。

クリエイティブな作業や専門的な用途が多い方には、Core i7をおすすめします。価格は高めになりますが、作業効率の向上を考えると投資価値は十分にあります。

性能に妥協しないプロ向け「Core i9」

Core i9は、Core iシリーズの最上位モデルで、最高レベルの処理性能を提供します。中古市場ではまだ流通量が少なく、価格も高めですが、極めて重い作業を行う方には価値のある選択肢です。

Core i9が必要となる用途は限定的ですが、以下のような作業では大きな差を実感できます。

  • 8K動画編集や3DCG制作。
  • 大規模なデータ解析。
  • 高度なゲーミングや配信。
  • AI・機械学習の開発。

CPUの型番から性能を見抜く方法

CPUの型番には、性能や世代を示す重要な情報が含まれています。プロセッサーナンバー 見方を理解することで、CPU 性能 比較が簡単にできるようになります。

IntelのCPU型番の読み方

Intel CPUの型番は、例えば「Core i5-8250U」のような形式になっています。この数字とアルファベットにはそれぞれ意味があり、性能を判断する重要な手がかりとなります。

型番の構成要素を詳しく解説します。

  • i5:CPUのグレード(i3/i5/i7/i9)。
  • 8:世代番号(8世代、9世代など)。
  • 250:同世代内での性能ランク。
  • U:CPUの特性を示すサフィックス。

世代番号が大きいほど新しく、一般的に性能も向上しています。同じCore i5でも、第8世代と第4世代では大きな性能差があるため、購入前にしっかりチェックしたいポイントです。

世代による性能差の目安

Intel CPU 世代ごとの性能向上は、およそ10-15%程度とされています。つまり、2-3世代の差があると体感できるレベルの性能差が生まれることになります。

実際の世代別性能の傾向をまとめてみました。

世代 発売年 特徴 中古相場
第4世代 2013-2014 基本性能は確保、省電力性に課題 低価格
第6世代 2015-2016 バランスが良く、中古市場の主力 手頃
第8世代 2017-2018 コア数増加で大幅性能向上 やや高め
第10世代 2019-2020 最新機能対応、高性能 高価格

サフィックスによる特性の違い

CPUの型番末尾に付くアルファベット(サフィックス)は、そのCPUの特性や用途を示しています。中古パソコンを選ぶ際は、この部分も確認することで失敗を避けられます。

主要なサフィックスの意味をご紹介します。

  • U:低電圧版(ノートパソコン向け、省電力だが性能は控えめ)。
  • H:高性能版(ノートパソコン向け、高性能だが消費電力大)。
  • K:オーバークロック対応(デスクトップ向け、上級者向け)。
  • T:低電圧版(デスクトップ向け、省電力重視)。

中古ノートパソコンを選ぶ際は、型番末尾のUかHかによって性能が大きく異なるため注意が必要です。

ベンチマークスコアの活用方法

CPU性能を客観的に比較するには、ベンチマークスコアが非常に有効です。数値で性能を把握できるため、異なるCPU同士の比較も簡単に行えます。

主要なベンチマークテストの種類

CPU性能を測定するベンチマークテストには、いくつかの種類があります。それぞれが異なる側面の性能を評価するため、複数のスコアを参考にするのがおすすめです。

代表的なベンチマークテストをご紹介します。

  • PassMark:総合的なCPU性能を数値化。
  • Cinebench:3DCGレンダリング性能に特化。
  • Geekbench:実用的な処理性能を重視。
  • PCMark:実際の使用環境に近いテスト。

一般的な用途では、PassMarkスコアを基準として性能比較する方法が分かりやすくておすすめです。このスコアがあることで、異なる世代やグレードのCPU同士でも簡単に性能差を把握できます。

「やりたいこと」に必要なスコアの目安

ベンチマークスコアを活用する際は、自分の使用用途に応じた目標スコアを設定することが重要です。必要以上に高性能なCPUを選んでも、コストが無駄になってしまう可能性があります。

用途別の推奨PassMarkスコア目安をまとめました。

用途 推奨スコア 具体例
軽い事務作業 3,000-5,000 Core i3 第6世代程度
一般的なビジネス用途 5,000-8,000 Core i5 第6-8世代程度
画像・動画編集 8,000-12,000 Core i7 第6-8世代程度
高度な作業・ゲーミング 12,000以上 Core i7 第8世代以降

ベンチマークスコアの調べ方

気になるCPUのベンチマークスコアは、インターネット上で簡単に調べることができます。いくつかの信頼できるサイトを活用することで、正確な性能データを入手できます。

おすすめのベンチマーク情報サイトをご紹介します。

  • PassMark公式サイト:最も包括的なCPUデータベース。
  • CPU-Monkey:詳細な仕様比較が可能。
  • UserBenchmark:実際のユーザーテスト結果。
  • 価格.com:商品レビューと併せて性能確認。

複数のサイトでスコアを確認して、平均的な性能を把握することで、より正確な判断ができるようになります。

中古パソコン選びで注意したいCPUの種類

中古パソコン市場には、現在の用途には適さない古いCPUや、性能の低いCPUも多く流通しています。これらを避けることで、購入後の後悔を防げます。

Celeronを選ぶ際の注意点

CeleronはIntelの低価格帯CPUシリーズですが、基本的な作業でも動作が重くなる場合が多いため、おすすめできません。特に中古パソコンでは、古い世代のCeleronが搭載されている場合があります。

Celeronを避けるべき理由をまとめました。

  • 基本性能が低く、Webブラウジングでも重さを感じる。
  • 複数アプリの同時実行が困難。
  • 動画視聴でもカクつきが生じる可能性。
  • Windows Updateに時間がかかりすぎる。

価格の安さだけに惹かれてCeleronを選ぶと、使用時のストレスが大きくなる可能性が高いです。少し予算を上げてでも、Core iシリーズを選択することを強くおすすめします。

Pentium搭載パソコンを選ぶ際の注意点

PentiumはCeleronとCore iシリーズの中間に位置するCPUですが、現在では新しいモデルの開発が停止されており、中古市場でも古い世代のものが中心となっています。

Pentiumに関する注意点は以下の通りです。

  • 新しい世代のPentiumなら軽い作業には対応可能。
  • 古い世代(第4世代以前)は避けた方が無難。
  • 将来性を考えるとCore iシリーズの方が安心。
  • 価格差が小さい場合はCore i3を選ぶべき。

発売から5年以上経過したCPUの注意点

中古パソコンでは、発売から5年以上経過した型落ちCPUが搭載されている場合があります。これらのCPUは価格が安い一方で、いくつかのリスクがあることを理解しておきましょう。

型落ちCPUを選ぶ際の注意点をご紹介します。

  • 最新ソフトウェアの動作要件を満たさない可能性。
  • セキュリティアップデートの対象外になるリスク。
  • 省電力性能が低く、電気代が高くなる。
  • 故障時の修理部品入手が困難。

特に、Windows 11は公式にIntel 第8世代以降、AMD Ryzen 第2世代以降のCPUをサポート対象としています。第7世代以前のCPUでは、サポート対象外となるリスクがあるため注意が必要です。

用途別のおすすめCPU構成

具体的な使用場面を想定して、最適なCPU構成をご提案します。価格と性能 バランスを考慮しながら、それぞれの用途に最適化された構成を見つけてください。

事務作業・インターネット中心の構成

Microsoft Officeでの文書作成やWebブラウジング、メールチェックが中心の方には、必要最小限の性能で十分です。コストを抑えながら快適に作業できる構成をおすすめします。

推奨スペック構成をご紹介します。

  • CPU:Core i3 第6世代以降またはCore i5 第4-6世代。
  • メモリ:8GB以上。
  • ストレージ:SSD 256GB以上。
  • 予算目安:3-5万円。

事務作業では安定性を重視するため、実績のある世代のCPUを選ぶのが安心です。無理に最新世代を狙わず、コストパフォーマンスの良いモデルを選択しましょう。

画像編集・軽い動画編集の構成

写真の現像や簡単な動画編集を行う方には、ある程度の処理性能が必要になります。作業効率を考えると、少し余裕のある性能を選んでおくと後悔しません。

クリエイティブ作業向けの推奨構成です。

  • CPU:Core i5 第8世代以降またはCore i7 第6-8世代。
  • メモリ:16GB以上。
  • ストレージ:SSD 512GB以上。
  • 予算目安:6-10万円。

プログラミング・開発作業の構成

ソフトウェア開発やプログラミング学習を行う方には、マルチタスク性能の高いCPUがおすすめです。複数のアプリケーションや仮想マシンを同時に動かすことが多いためです。

開発作業に適した構成をまとめました。

  • CPU:Core i7 第8世代以降。
  • メモリ:16-32GB。
  • ストレージ:SSD 512GB以上。
  • 予算目安:8-15万円。

開発環境では将来的な拡張性も考慮して、ややオーバースペック気味の構成を選ぶのが賢明です。

軽いゲーミング・マルチメディアの構成

ブラウザゲームや軽めのPCゲーム、4K動画視聴などを楽しみたい方には、GPU性能も重要になってきます。CPU単体の性能だけでなく、統合グラフィック性能も確認しましょう。

エンターテイメント向けの推奨構成です。

  • CPU:Core i5 第8世代以降(Hシリーズ推奨)。
  • メモリ:16GB以上。
  • ストレージ:SSD 512GB以上。
  • 予算目安:7-12万円。

中古パソコンをコスパ重視で選ぶ方法

限られた予算で最大限の性能を得るには、市場価格の動向を理解し、お得なタイミングで購入することが重要です。コストパフォーマンスを重視した賢い選び方をご紹介します。

最も「お買い得」なCPU世代はいつのモデル?

中古パソコン市場では、発売から2-4年程度経過したモデルが最もコストパフォーマンスに優れています。新品価格から大きく下がった一方で、実用性能はまだ十分に保たれているためです。

コスパ重視で狙い目の世代とグレードをまとめました。

  • Core i5 第8-10世代:性能と価格のバランスが最良。
  • Core i7 第6-8世代:高性能を手頃価格で入手可能。
  • Core i3 第8世代以降:予算重視だが基本性能は確保。

発売から3年前後のモデルを狙うことで、最高のコストパフォーマンスを実現できます。

中古パソコンが安くなる「買い時」を狙おう

中古パソコンの価格は、新製品の発表時期や決算期などによって変動します。これらのタイミングを狙うことで、同じ性能のパソコンをより安く購入できる可能性があります。

お得な購入タイミングをご紹介します。

  • 新世代CPU発表後:前世代モデルの価格が下落。
  • 決算期(3月、9月):在庫処分セールが多い。
  • 年末年始:福袋やセール企画が豊富。
  • 新生活シーズン前:需要期前の在庫整理。

価格と同じくらい重要!保証・サポートの確認点

中古パソコンを購入する際は、価格だけでなく保証内容も重要な判断材料になります。故障リスクを考えると、ある程度の保証が付いている商品を選ぶのが安心です。

保証面でチェックすべきポイントをまとめました。

  • 保証期間:最低3ヶ月、できれば1年以上。
  • 保証範囲:初期不良だけでなく自然故障も対象。
  • サポート体制:電話やメールでの技術サポート。
  • 返品条件:万が一の際の返品・交換対応。

信頼できる販売店から購入することで、安心して中古パソコンを活用できます。

CPUだけじゃない!中古パソコン選びで重要なパーツ

CPUの性能が重要とはいえ、パソコン全体のパフォーマンスはメモリやストレージなど他の部品との組み合わせで決まります。バランスの取れた構成を選ぶことが、満足度の高い中古パソコン選びにつながります。

メモリは「作業机の広さ」、8GB以上はマスト!

メモリ(RAM)は、CPUが処理するデータを一時的に保存する場所です。メモリが不足すると、どんなに高性能なCPUを搭載していても動作が重くなってしまいます。

用途別のメモリ容量 目安をご紹介します。

  • 軽い事務作業:8GB以上。
  • 一般的なビジネス用途:8-16GB。
  • 画像・動画編集:16GB以上。
  • 高度な作業・ゲーミング:16-32GB。

現在では8GBが最低ラインと考えておくと良いでしょう。Windows 11の快適な動作を考えると、16GBあると安心です。

体感速度が激変!ストレージは「SSD」一択の理由

ストレージについては、従来のハードディスク(HDD)よりも、SSD(Solid State Drive)を強くおすすめします。SSD 必要性 中古PCでは特に重要で、古いパソコンでもSSDに交換するだけで劇的に動作速度が向上します。

SSDのメリットを整理しました。

  • 起動速度が大幅に向上(30秒→10秒程度)。
  • アプリケーションの立ち上がりが高速。
  • ファイルコピーや移動が素早い。
  • 静音性に優れ、発熱も少ない。
  • 衝撃に強く、故障しにくい。

見落としがち!USB端子やWi-Fiの最終チェック

CPU、メモリ、ストレージ以外にも、中古パソコン選びで確認しておきたい項目があります。これらをチェックすることで、より満足度の高い購入ができるでしょう。

その他の重要チェック項目をまとめました。

  • USB端子の数と規格(USB 3.0以上推奨)。
  • 無線LAN対応(Wi-Fi 5以上が理想)。
  • ディスプレイ出力端子(HDMI、DisplayPortなど)。
  • バッテリー状態(ノートパソコンの場合)。
  • キーボード・タッチパッドの状態。

中古デスクトップ パソコンの場合は拡張性も確認しておくと、将来的なアップグレードが可能かどうか判断できます。

まとめ

中古パソコンのCPU選びで迷ったら、この記事の3つのポイントを思い出してください。まずは「Core i5」を基準にグレードを絞り込み、快適に使うなら「第8世代以降+SSD」の組み合わせが必須です。そして最も大切なのが、価格だけでなく「保証付き」で信頼できるお店から選ぶこと。この知識があれば、あなたも賢く、コストを抑えながら最高のパフォーマンスを誇るパートナーを見つけられます!

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