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スマートフォンの価格が年々上昇する中、中古スマートフォンの購入を検討される方が増えています。新品と比較して大幅にコストを抑えられる一方で、どの端末を選べばいいのか、どこで購入すれば安心なのか、購入後の設定はどうすればいいのかなど、初めての方には分からないことがたくさんあります。
この記事では、失敗しない中古スマートフォンの選び方から、信頼できる購入先の見つけ方、そして購入後の初期設定まで、一連の流れを分かりやすく解説していきます。この記事を最後まで読めば、自身に最適な中古スマートフォンを選び、スムーズに利用を開始できるでしょう。
中古スマートフォンの基本知識
中古スマートフォンを購入する前に、まずは基本的な知識を身につけておきましょう。これから紹介するポイントを理解しておけば、購入時の判断がずっと楽になります。
白ロムスマートフォンとは何か
中古スマートフォンを探していると、白ロムという言葉を目にすることがあります。白ロムとは、携帯電話会社との契約が解除されて回線情報が入っていない端末のことです。つまり、SIMカードを挿入すれば、どの携帯会社でも使えるようになる状態の端末です。
反対に、赤ロムと呼ばれる端末もあります。これは分割払いの未払いや盗難などの理由で、携帯会社によって通信機能が制限されている端末のことです。赤ロムを購入してしまうと、通話やデータ通信ができなくなってしまうため、必ず避ける必要があります。
SIMフリーの中古スマートフォンのメリット
SIMフリーのスマートフォンは、どの携帯会社のSIMカードでも使用できる端末のことです。SIMロックがかかっている端末と比べて、格安SIMセット購入時の選択肢が広がったり、海外旅行時に現地のSIMカードが使えたりと、様々なメリットがあります。
2021年10月1日以降に新たに販売された端末は、総務省のガイドラインにより原則としてSIMロックが禁止されていますが、古い端末の場合はSIMロックがかかっている可能性があります。購入前には必ず確認しておきましょう。
ネットワーク利用制限確認の重要性
中古スマートフォンを購入する際に最も重要なチェック項目の一つが、ネットワーク利用制限の確認です。これは、端末が正常に通信できる状態かどうかを調べるための仕組みです。
各携帯会社の公式サイトで、端末のIMEI番号(端末固有の識別番号)を入力すると、その端末の状態を確認できます。○(丸)なら問題なし、△(三角)なら分割払い中だが使用可能、×(バツ)なら赤ロムで使用不可という判定になります。
中古スマートフォン選びで失敗しないための重要ポイント
中古スマートフォンを選ぶ際には、用途や予算に応じて重視すべきポイントが変わってきます。ここでは、失敗しない選び方のコツを詳しくお伝えしていきます。
用途別おすすめ機種の考え方
まず最初に、どのような用途でスマートフォンを使うかを明確にしておきましょう。普段使いなのか、サブ機としてなのか、お子さん用なのかによって、必要なスペックが大きく変わってきます。
普段使いの場合は、カメラ性能やバッテリー持ち、動作の快適さを重視したいです。サブ機やお子さん用であれば、基本的な機能があれば十分で、価格の安さを優先できます。ゲームをよくする方なら、処理能力の高さやディスプレイの品質が重要になってきます。
中古iPhoneの購入時の注意点
iPhoneの中古購入を検討されている方も多いでしょう。iPhoneは人気が高く、中古市場でも活発に取引されています。iPhone中古購入の際は、iOSのサポート期間を必ず確認することが大切です。
古いモデルだと、最新のiOSにアップデートできない場合があります。セキュリティの観点からも、少なくとも2〜3年はサポートが続くモデルを選ぶことをおすすめします。また、バッテリーの劣化状況も設定画面から確認できるので、購入前にチェックしてもらいましょう。
中古Android購入のチェックポイント
Android端末の場合は、メーカーやモデルによってサポート期間や機能が大きく異なります。Android中古購入時には、OSのバージョンとセキュリティアップデートの提供状況を確認しておきましょう。
また、Androidは機種によって対応する周波数帯が異なるため、使いたい携帯会社のネットワークに対応しているかも重要なポイントです。特に海外メーカーの端末を購入する場合は、日本の電波法に適合しているかも確認が必要です。
バッテリー劣化のチェック方法
スマートフォンのバッテリーは消耗品のため、使用年数が長くなると必ず劣化していきます。中古端末を購入する際は、バッテリーの状態をしっかりとチェックしておくことが重要です。
iPhoneの場合は、設定>バッテリー>バッテリーの状態から最大容量を確認できます。80%以上あれば良好な状態と言えるでしょう。Androidの場合は機種により確認方法が異なりますが、AccuBatteryなどのバッテリー状態診断アプリを利用して調べることも可能です。
中古スマートフォンのおすすめ購入先と比較
中古スマートフォンを購入できる場所は様々ありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。安心して購入できるよう、各購入先の特徴と保証内容を理解しておきましょう。
【実店舗】手にとって確認でき、保証の相談もしやすい
実店舗での購入最大のメリットは、実際に端末を手に取って確認できることです。外観の傷や動作状況を直接チェックできるため、写真だけでは分からない細かな状態も把握できます。
また、専門スタッフにその場で質問できるのも大きな安心材料です。多くの店舗では故障時の修理や交換に対応する独自の保証サービスを提供しており、補償内容を確認しながら選べる点も魅力です。万が一の故障時も、購入した店舗に直接持ち込んで相談できます。
【オンラインショップ】豊富な品揃えと保証内容の比較が容易
オンラインショップでの購入は、豊富な在庫から選べることが最大の魅力です。実店舗では取り扱いがないレアな機種や、特定の条件に合った端末も見つけやすいでしょう。
価格やレビューを比較しやすいだけでなく、各ショップが提供する保証内容(保証期間、補償範囲、免責金額など)もじっくり比較検討できます。ただし、実物を確認できないため、商品説明や保証規定をしっかりと読んだ上で、信頼できるショップから購入することが重要になります。
【フリマサイト・オークション】価格は魅力的だがリスク管理が必須
フリマアプリやオークションサイトでの購入は価格の安さが魅力的ですが、個人間取引のため保証が無く、様々なリスクが伴います。利用する際は、以下の点に注意しましょう。
商品の品質は出品者の自己申告に依存します。写真と実物が異なっていたり、隠れた不具合があったりしても返品は困難な場合がほとんどです。出品者とのやり取りで詳細な状態を必ず確認し、少しでも不安があれば購入を避けるのが賢明です。
また、IMEI番号の開示を依頼して事前にネットワーク利用制限を確認することも、赤ロムのリスクを避けるために重要です。出品者の評価や過去の取引実績もしっかりと確認しましょう。
中古スマートフォン購入前に知りたい注意点とリスク対策
中古スマートフォンの購入には、新品にはないリスクが存在します。しかし、適切な知識と注意点を把握しておけば、これらのリスクを大幅に減らすことができます。
分割払い残債有無確認
中古スマートフォンを購入する際に特に注意したいのが、分割払いの残債です。前の所有者が分割払いで購入した端末で、まだ支払いが完了していない場合があります。
分割払い残債がある端末は、支払いが滞ると赤ロムになってしまう可能性があります。ネットワーク利用制限の確認で△(三角)表示の端末は、現在は使用できても将来的にリスクがあることを理解しておきましょう。可能であれば○(丸)表示の端末を選ぶことをおすすめします。
赤ロムリスク対策
赤ロムのリスクを完全に避けるためには、信頼できる販売店での購入が重要です。多くの専門店では、赤ロム保証を提供しており、万が一購入後に赤ロムになった場合は交換や返金に応じてくれます。
個人売買やオークションサイトでの購入は価格が安い反面、赤ロムのリスクが高くなります。どうしてもこれらのサイトを利用する場合は、出品者の評価や取引実績をしっかりと確認しておきましょう。
動作確認方法の基本
中古スマートフォンを購入する際は、基本的な動作確認を必ず行いましょう。店舗購入の場合はその場で、オンライン購入の場合は保証期間内に必ず以下の項目をチェックしましょう。
- 電源のオン・オフが正常に動作するか
- タッチスクリーンが全面で反応するか
- 各種ボタン(音量、電源、ホーム)が機能するか
- カメラの起動と撮影ができるか
- スピーカーとマイクの音質に問題がないか
- Wi-Fi、Bluetooth接続ができるか
- 充電が正常に行えるか
オンラインで購入する場合は、これらの動作確認済みと明記されている商品を選ぶか、返品保証がある店舗で購入することをおすすめします。
購入後の初期設定方法ガイド
中古スマートフォンを購入したら、次は初期設定を行います。新品とは異なり、前の使用者のデータが残っている可能性もあるため、適切な手順で設定を進めることが大切です。
購入後に必須!端末の初期化(リセット)方法
まず最初に行うべきは、端末の完全な初期化です。前の使用者のデータやアカウント情報が残っていると、プライバシーの問題や動作不良の原因になることがあります。
工場出荷時状態にリセットしてから自分用の設定を始めましょう。iPhoneの場合は設定>一般>リセット>すべての設定をリセットから、Androidの場合は設定>システム>リセットオプション>すべてのデータを消去から実行できます。
スマートフォンOS別!データ移行の簡単ステップ
以前のスマートフォンから新しく購入した中古スマートフォンへデータを移す方法は、OSの組み合わせによって異なります。ここでは代表的な3つのパターンと、それぞれの主な手順をご紹介します。
PhoneからiPhoneへの移行:Appleの「クイックスタート」機能を利用するのが最も簡単です。古いiPhoneを新しいiPhoneの隣に置くと、画面の案内に従ってワイヤレスでほとんどのデータを直接転送できます。
AndroidからAndroidへの移行:Googleアカウントにログインすることで、連絡先、アプリ、写真などの多くのデータが自動的に同期・復元されます。メーカー独自の移行アプリ(例:Xperiaの「Xperia Transfer 2」など)が用意されている場合もあります。
iPhoneとAndroid間での移行:OSが異なるため少し手順が増えます。iPhoneからAndroidへはGoogleドライブアプリを使って連絡先やカレンダーをバックアップし、Android側で復元するのが一般的です。AndroidからiPhoneへは、Appleが提供する「iOSに移行」アプリをAndroidにインストールしてデータを転送します。
どの方法で移行する場合でも、万一の事態に備えて事前に重要なデータのバックアップを取っておくと安心です。写真や連絡先など、失いたくないデータは個別に保存しておくことをお勧めします。
中古スマートフォンを安全に使うための必須セキュリティ設定3つ
中古スマートフォンを安心して利用するため、最低限以下の3つのセキュリティ設定は必ず行いましょう。これらは自分自身と個人情報を守るための基本です。
1. 画面ロックの設定:第三者による不正な操作を防ぐため、PIN、パスワード、指紋認証、顔認証などで必ず画面ロックを設定してください。
2. OS・アプリのアップデート:ソフトウェアの脆弱性(セキュリティ上の弱点)は、OSやアプリのアップデートによって修正されます。OSやセキュリティパッチを常に最新の状態に保つことは、ウイルス感染などのリスクを避けるために極めて重要です。
3. 不正なアプリのブロック:公式ストア以外からアプリをインストールすると、ウイルスに感染する危険性が高まります。iPhoneの場合は標準でブロックされていますが、Androidでは「提供元不明のアプリのインストール」を許可しない設定になっているか確認しましょう。
まとめ
中古スマートフォンの購入は、正しい知識といくつかのチェックポイントさえ押さえれば、非常にお得で賢い選択肢となります。白ロムと赤ロムの違い、ネットワーク利用制限の確認、バッテリーの状態など、この記事で解説した基本を理解するだけで、失敗のリスクは大幅に減らせるでしょう。
購入先ごとのメリット・デメリットを把握し、必要に応じて保証サービスも検討することで、安心して長く使える一台を選べます。この記事で得た知識を活かせば、高価な新品にこだわらなくても、あなたの使い方に合った快適なスマートフォンを手に入れることができます。さっそく、信頼できるショップで理想の一台を探し始めてみましょう。