絵を描くだけなら中古iPadで十分!<br>おすすめモデルと選び方のポイント

デジタルイラストを始めたいけれど、新品iPadは価格が高くて手が出しにくい。そんな悩みを持つ方におすすめしたいのが中古iPadです。実際のところ、絵を描くだけなら最新モデルである必要はありません。

この記事では、絵描き用iPad選びの基準から具体的なおすすめモデル、中古購入時の注意点まで、失敗しないための情報を詳しく解説します。コストを抑えて快適なお絵描き環境を手に入れる方法がわかります。

中古iPadで絵を描くメリット

中古iPadでのお絵描きには、新品購入では得られない魅力的な利点があります。まずは、なぜ中古iPadが絵描きに適しているのかを確認しましょう。

コストパフォーマンスの高さ

中古iPadの最大の魅力は、圧倒的なコストパフォーマンスです。新品のiPad Pro 11インチ(128GB)が約12万円するのに対し、同等性能の2018年モデル中古品なら5〜7万円程度で購入できます。

この価格差があれば、Apple Pencilやケース、お絵描きアプリも同時に揃えることができるため、初期投資を大幅に抑えられます。趣味レベルでのイラスト制作なら、この投資額で十分すぎるほどの環境が構築できるでしょう。

必要十分な性能の確保

Procreateなど主要なお絵描きアプリは、比較的古いiPadでも快適に動作します。A10チップ以降を搭載したモデルなら、レイヤー数に制限があるものの、基本的なイラスト制作には問題ありません。

複雑な3Dモデリングや動画編集を行わない限り、2〜3世代前のモデルでも十分な描画性能を発揮します。むしろ、基本機能に集中できるため、初心者にはかえってメリットとなる場合もあります。

絵描き用iPadの必要スペック

中古iPadを選ぶ前に、絵を描くために最低限必要なスペックを理解しておくことが大切です。これらの条件を満たすモデルを選べば、快適なお絵描き体験が期待できます。

Apple Pencil対応の確認

デジタルイラストには、Apple Pencilの使用がほぼ必須です。対応モデルは第1世代と第2世代に分かれており、それぞれ対応するiPadが異なります。

第1世代Apple Pencilは、iPad第6〜9世代、iPad Air第3世代、iPad Pro 12.9インチ第1〜2世代、iPad Pro 10.5インチなどに対応しています。第2世代は、iPad Pro 11インチ全世代、iPad Pro 12.9インチ第3世代以降、iPad Air第4〜5世代で使用可能です。

購入前に必ず対応するApple Pencilの世代を確認し、同時購入を検討しましょう。

RAM容量とストレージの目安

快適な描画体験のためには、適切なメモリ容量が必要です。Procreateの場合、RAMが2GBのモデルでは最大レイヤー数が制限されるため、可能であれば3GB以上のRAMを搭載したモデルを選ぶことをおすすめします。

ストレージについては、最低64GB以上を推奨します。ただし、本格的にイラスト制作を行うなら128GB以上が安心です。イラストデータはデータサイズが大きくなる場合が多く、多くのストレージ容量を要するためです。

作品データやアプリ容量を考慮すると、256GBモデルが最も実用的でしょう。中古市場では、容量の大きいモデルほど価格差が少ないため、予算に余裕があれば上位モデルを選ぶことをおすすめします。

画面品質とディスプレイ仕様

絵を描く際の快適性を左右するのが、画面の品質です。特に重要なのがフルラミネーションディスプレイの有無で、これがあるとペン先と実際の描画線の間隔が狭くなり、より自然な描画感が得られます。

また、P3広色域対応やTrue Toneディスプレイなどの機能があると、より正確な色彩表現が可能になります。プロレベルの作品制作を目指すなら、これらの機能を備えたモデルの選択が重要です。

中古iPadおすすめモデル

絵描き用途に適した中古iPadを、予算別・用途別に具体的なおすすめモデルをご紹介します。それぞれの特徴を理解して、自分にぴったりのモデルを見つけましょう。

予算重視の入門モデル

お絵描きを始めたばかりの方や、とにかくコストを抑えたい方には、iPad第7世代(2019年モデル)がおすすめです。中古価格は2〜3万円程度で、第1世代Apple Pencilに対応しています。

10.2インチの画面サイズは初心者には十分で、A10 Fusionチップによる基本性能も問題ありません。ただし、フルラミネーションディスプレイは非搭載のため、ペン先と描画線の間に若干の視差があります。

趣味レベルでのお絵描きなら十分な性能を持っており、初期投資を最小限に抑えられる点が大きなメリットです。

バランス重視の推奨モデル

機能と価格のバランスを重視するなら、iPad Air第3世代(2019年モデル)が最適です。中古価格は4〜5万円程度で、フルラミネーションディスプレイとP3広色域に対応しています。

A12 Bionicチップの搭載により、Procreateでのレイヤー数制限も緩く、より本格的なイラスト制作が可能です。10.5インチの画面サイズは、携帯性と描画面積のバランスが良好です。

また、第1世代Apple Pencilの描画性能も十分高く、多くのイラストレーターが実用レベルで使用しているモデルでもあります。

性能重視の上位モデル

より快適な描画環境を求める方には、iPad Pro 11インチ第1世代(2018年モデル)をおすすめします。中古価格は6〜8万円程度ですが、第2世代Apple Pencilの対応と高性能が魅力です。

A12X Bionicチップによる高い処理能力で、大量のレイヤーを使った複雑なイラスト制作も快適に行えます。ProMotionテクノロジーによる120Hzのリフレッシュレートで、ペン追従性も最高レベルです。

本格的なイラスト制作やアニメーション制作を視野に入れているなら、このクラスのモデルが必要になるでしょう。

Apple Pencil対応モデルの比較

Apple Pencilは世代によって機能や対応モデルが異なります。絵描き用iPadを選ぶ際の重要な判断材料となるため、詳しい比較情報を確認しましょう。

第1世代Apple Pencilの特徴

第1世代Apple Pencilは、多くの中古iPadで使用できる汎用性の高いモデルです。Lightning端子での充電方式を採用しており、iPad本体に直接挿して充電する仕組みになっています。

筆圧検知機能と傾き検知機能を備えており、基本的な描画性能は十分に高いレベルです。ただし、ペンの側面をダブルタップして機能を切り替えるような操作はできません。

コストパフォーマンスを重視するなら最適な選択肢となり、多くのイラストレーターが実用的に使用しています。

第2世代Apple Pencilの特徴

第2世代Apple Pencilは、iPad Proやなどの上位モデル専用の高機能ペンです。マグネット式でiPad側面に吸着し、ワイヤレス充電が可能な点が大きな特徴です。

側面のダブルタップ機能により、描画ツールとイレーザーの切り替えが簡単に行えます。また、よりわずかに軽量で、持ちやすさも向上しています。

ペン追従性については第1世代と同等ですが、操作性の向上により作業効率が大幅にアップします。本格的な作品制作を行う方には、この利便性は大きなメリットとなるでしょう。

ペン追従性と筆圧検知の比較

両世代とも、筆圧検知と傾き検知の基本性能に大きな差はありません。どちらも4096段階の筆圧レベルを検知し、自然な線の太さや濃淡の表現が可能です。

ペン追従性については、iPad本体のリフレッシュレートとの関係が重要です。ProMotion対応モデルなら120Hzでの描画が可能で、通常の60Hzモデルと比較してより滑らかな描画感が得られます。

細かな描画や高速なストロークでは、この差が明確に感じられるため、描画スタイルに応じて選択することが大切です。

Procreate動作環境の確認

お絵描きアプリとして最も人気の高いProcreateは、iPadの性能によって使用できる機能に違いがあります。快適な制作環境のために、動作要件を正しく理解しておきましょう。

推奨スペックとレイヤー数制限

Procreateは、iPadのRAM容量によってレイヤー数の上限が決まります。1GBモデルでは3〜5レイヤー、2GBモデルでは10〜15レイヤー、3GB以上では20レイヤー以上が使用可能です。

キャンバスサイズも重要な要素で、大きなサイズの作品ほどレイヤー数が制限されます。A4サイズ300dpiの場合、2GBモデルでも実用的なレイヤー数を確保できます。

本格的なイラスト制作なら3GB以上のRAM搭載モデルを選ぶことで、レイヤー数を気にせず作業できるでしょう。

対応機種とOS要件

現在のProcreate最新版は、iOS 13.2以降を要求します。古い中古iPadでは、最新のiOSにアップデートできない場合があるため、購入前の確認が必要です。

A9チップ以降を搭載したiPadなら、基本的にProcreateの動作に問題はありません。ただし、A10チップ以降のモデルなら、より快適な動作が期待できます。

また、アプリの将来的なアップデート対応を考えると、できるだけ新しいチップを搭載したモデルを選ぶことをおすすめします。

中古iPad購入時のチェックポイント

中古iPadを購入する際は、新品とは異なる注意点があります。失敗しない購入のために、事前にチェックすべき重要なポイントを確認しましょう。

バッテリー劣化状態の確認方法

中古iPadの最も重要なチェックポイントがバッテリーの劣化状態です。設定アプリからバッテリーの最大容量を確認でき、80%以上なら良好、70%以下なら交換を検討する必要があります。

長時間の描画作業では、バッテリー持続時間が重要になります。劣化したバッテリーでは、作業中に頻繁な充電が必要となり、創作活動の妨げとなる可能性があります。

購入前に実際の駆動時間をテストできるなら、お絵描きアプリを動作させて確認することをおすすめします。

画面とタッチ機能の動作確認

描画用途では、画面の状態が作品の品質に直結します。液晶の発色、輝度ムラ、画面の傷や汚れを入念にチェックしましょう。特に、画面保護フィルムの下に隠れた傷は見落としやすいため注意が必要です。

タッチ機能についても、10本指での同時タッチや細かなジェスチャー操作が正常に動作するか確認します。描画時のパームリジェクション機能も重要なため、手のひらを画面に置いた状態でのペン操作をテストしてください。

Apple Pencilの反応精度と遅延も、可能な限り実機で確認することが大切です。

付属品と保証の確認

中古iPadでは、付属品の有無が価格に大きく影響します。充電器、ケーブル、説明書などの基本付属品に加え、Apple Pencilや純正ケースが含まれるかどうかを確認しましょう。

販売店の保証期間と内容も重要な判断材料です。信頼性の高いショップなら、30日〜3ヶ月程度の動作保証を提供しています。個人売買の場合は保証がないため、リスクを十分に検討してください。

アクティベーションロックの解除状態も必ず確認し、前所有者のApple IDが残っていないことを確かめましょう。

画面サイズ別の選び方

iPadの画面サイズは、描画体験に大きな影響を与える重要な要素です。用途や使用環境に応じて、最適なサイズを選択することで、より快適なお絵描き環境を構築できます。

10.2〜10.5インチクラスの特徴

10.2〜10.5インチサイズは、携帯性と描画面積のバランスが良好なサイズです。外出先での使用や、デスクスペースが限られる環境では、このサイズが最も扱いやすいでしょう。

細密な描画作業では若干の物足りなさを感じる場合もありますが、基本的なイラスト制作には十分な画面サイズです。初心者の方や、カジュアルにお絵描きを楽しみたい方には適しています。

持ち運びを重視するなら最適な選択肢となり、通勤・通学中のスキマ時間でも創作活動を続けられます。

11インチクラスの描画体験

11インチサイズは、描画領域と携帯性の両方を高いレベルで実現したバランス型です。A4用紙とほぼ同等のサイズ感で、実用的なイラスト制作が快適に行えます。

iPad Pro 11インチシリーズは、狭額縁設計により本体サイズを抑えながら、大きな画面を実現しています。長時間の作業でも疲労が少なく、プロレベルの作品制作にも対応できます。

また、第2世代Apple Pencilとの組み合わせにより、最高レベルの描画体験が得られるサイズでもあります。

12.9インチの大画面メリット

12.9インチサイズは、最も広い描画面積を提供する大画面モデルです。複雑な構図のイラストや、細密な描写が要求される作品制作に威力を発揮します。

画面が大きいため、ツールパレットやレイヤーパネルを表示したままでも、十分な描画エリアを確保できます。本格的なデジタルアート制作やアニメーション作業では、この作業性の向上は大きなメリットです。

ただし、重量と携帯性はトレードオフとなるため、主に固定環境での使用を想定している方におすすめします。

初心者向けモデルの選び方

デジタルイラストを始めたばかりの方には、使いやすさとコストのバランスを重視したモデル選びが重要です。過度に高性能な機種を選ぶより、基本機能を確実に習得できる環境作りを優先しましょう。

入門レベルの推奨スペック

お絵描き初心者の場合、最初から高性能モデルである必要はありません。A10チップ以降を搭載し、Apple Pencil第1世代に対応したモデルなら、基本的なイラスト制作は十分に可能です。

ストレージは64GB以上、できれば128GBを選んでおけば、当面は容量不足に悩むことはないでしょう。RAMは2GB以上あれば、Procreateで10レイヤー程度の作品制作が可能です。

基本機能の習得に集中できる適度なスペックを選ぶことで、効率的にスキルアップを図れます。

学習コストを抑える工夫

初心者の場合、iPad本体だけでなく、学習教材やアプリ購入費用も考慮する必要があります。中古iPadで浮いた予算を、有料のお絵描きアプリやオンライン講座に回すことで、総合的な学習効果を高められます。

また、最初は無料アプリから始めて、スキルアップに応じて有料アプリに移行する段階的なアプローチも有効です。Adobe Fresco無料版やMediBang Paintなど、機能制限はありますが、基本的なイラスト制作には十分です。

段階的に環境をアップグレードする計画を立てることで、無駄な投資を避けながら着実にスキルを向上させられます。

将来性を考慮したモデル選択

初心者でも、将来的なスキルアップを見越してモデルを選ぶことが重要です。あまりに古いモデルでは、数年後にOSアップデートの対象外となり、新しいアプリが使用できなくなる可能性があります。

また、描画スキルが向上すると、より高品質な作品制作を望むようになります。最初からある程度余裕のあるスペックを選んでおけば、長期間同じ機種を使い続けられます。

3〜5年の使用を想定した適切なスペック選択により、結果的にコストパフォーマンスを最大化できるでしょう。

まとめ

絵を描く目的なら、中古iPadでも十分に満足できる環境を構築できます。Apple Pencil対応モデルを選び、用途に応じたスペックを把握することで、新品の半額程度で快適なお絵描き環境が手に入ります。

購入時は、バッテリー状態や画面の状態を慎重にチェックし、信頼できる販売店を選ぶことが成功の鍵となります。初心者なら入門モデルから始め、スキルアップに応じてグレードアップする段階的なアプローチがおすすめです。コストを抑えながら、創作活動を存分に楽しめる環境を整えましょう。

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