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「このソフトの操作方法を、言葉だけじゃなく映像で伝えたいな」「オンライン会議の内容を後から見返せるようにしたいな」…そんな風に思ったことはありませんか? パソコンの画面録画は、そんな時に大活躍する便利な機能です。
実は、高価なソフトを購入しなくても、Windowsの標準機能や無料ソフトを使って簡単に画面録画ができますよ。
この記事では、パソコン初心者の方でも迷わずに画面録画を始められるよう、WindowsとMacの基本的な録画方法から詳細な設定手順、よくあるトラブルの解決方法まで分かりやすく解説していきます。記事を読み終える頃には、自分に最適な方法で高品質な画面録画ができるようになります。
パソコン画面録画って何?始める前に知りたい基本を解説
画面録画を始める前に、まずは基本的な仕組みと用途について一緒に見ていきましょう。
画面録画とは、パソコンの画面に表示されている内容を動画ファイルとして保存する機能のことです。マウスの動きやキーボード操作、アプリケーションの動作など、すべてが記録されるため、操作手順を説明したり、起きた問題をそのまま見せたりするのに非常に便利なんですね。
画面録画の主な用途
どのような場面で画面録画が活用されているか見てみましょう。
- 会社でのプレゼンテーション資料作成。
- オンライン会議やウェビナーの記録。
- ソフトウェアの操作マニュアル作成。
- ゲームプレイの実況動画制作。
- オンライン授業や講義の復習用記録。
- エラーやトラブルの状況を記録して技術サポートに相談。
画面録画で使われる主なファイル形式(MP4など)
画面録画では、主にMP4やWMV、MOVといった動画形式で保存されます。どの形式を選ぶかによって、再生できる環境や編集のしやすさが変わるため、目的に合わせて選ぶことが大切です。迷った場合は、多くのデバイスやソフトに対応しているMP4形式を選んでおくと良いでしょう。
録画の画質はどう決める?用途に合わせた選び方のコツ
録画の画質を高くすれば映像は鮮明になりますが、その分ファイルサイズ(動画の重さ)も大きくなってしまいます。画質設定は用途に応じて調整し、ファイルサイズと品質のバランスを取ることが重要です。
例えば、簡単な操作説明であれば標準画質で十分ですが、デザイン作業や細かい文字・図表を含む画面を録画する場合は、相手が見やすいように高画質設定にすることをおすすめします。
Windowsですぐできる!標準機能を使ったパソコン画面録画のやり方
Windowsパソコンには、もともと画面録画の機能がいくつか入っているので、わざわざソフトを探してこなくても大丈夫です。手軽に録画を始められますよ。
Xbox Game Barの使い方
Windows 10と11に標準装備されているXbox Game Barは、最も手軽に使える録画機能です。ショートカットキーで瞬時に録画開始できるため、緊急時にも重宝しますよ。
起動方法と基本操作を順番に説明します。
- Windowsキー + G を同時に押してXbox Game Barを起動。
- キャプチャウィンドウが表示されたら、録画ボタン(●印)をクリック。
- 画面右上に録画時間が表示され、録画が開始されます。
- 停止するときは、再度Windowsキー + G を押して停止ボタンをクリック。
録画した動画は、PCの「ビデオ」フォルダ内にある「キャプチャ」フォルダに自動で保存されます。
Snipping Toolの画面録画機能
Windows 11では、おなじみのSnipping Toolに動画録画機能が追加されました。スクリーンショットを撮るときと同じような感覚で使えるので、説明書がなくても見たまま操作できるくらい簡単ですよ。
Snipping Toolでの録画手順を見てみましょう。
- スタートメニューからSnipping Toolを起動。
- 新規作成ボタンの隣にある下矢印をクリック。
- ビデオ録画を選択。
- 録画したい範囲をマウスでドラッグして指定。
- 開始ボタンをクリックして録画スタート。
- 停止ボタンで録画終了し、保存先を指定してファイルを保存。
録画から簡単な編集まで!Clipchampの使い方
Windows 11に標準搭載されているClipchampは、録画だけでなく編集も行える便利なアプリです。録画後すぐに不要な部分をカットしたり、テキストを追加したりできるため、完成度の高い動画を作成できますよ。
基本的な使い方は以下の通りです。
- Clipchampアプリを起動。
- 新しいビデオを作成を選択。
- 画面とカメラを録画をクリック。
- 録画する画面(全画面またはウィンドウ)を選択。
- 録画開始ボタンをクリック。
- 録画終了後、必要に応じて編集を行い動画を保存。
Macでのパソコン画面録画方法
MacでもWindowsと同様に、標準機能を使って簡単に画面録画ができます。QuickTime Playerを使った方法が最も一般的です。
Macの定番!QuickTime Playerで画面録画する手順
MacのQuickTime Playerは高品質な録画ができる優秀な標準アプリです。音声品質も非常に良好で、プロフェッショナルな用途にも対応できます。
QuickTime Playerでの録画手順を説明します。
- アプリケーションフォルダからQuickTime Playerを起動。
- ファイルメニューから新規画面収録を選択。
- 録画ボタンの隣にある下矢印をクリックして音声設定を確認。
- 全画面録画の場合はそのまま録画ボタンをクリック。
- 部分録画の場合は、録画したい範囲をドラッグで指定。
- 録画開始され、メニューバーに停止ボタンが表示されます。
- 停止ボタンをクリックして録画終了。
ショートカットキー一発!Macの便利ツールで画面を録画する方法
macOS Mojave以降では、Shift + Command + 5 のショートカットでスクリーンショットツールバーが表示され、ここから画面録画も選択できます。
このツールバーの使い方は以下の通りです。
- Shift + Command + 5 を同時に押す。
- ツールバーが表示されたら、右側の録画アイコンを選択。
- 画面全体または選択部分の録画を選択。
- オプションから保存先や音声設定を調整。
- 取り込むボタンをクリックして録画開始。
- メニューバーの停止ボタンで録画終了。
標準機能より高機能!おすすめの無料画面録画ソフト3選
「もっと色々な機能が欲しい!」という場合は、無料で使える便利な録画ソフトを追加でインストールするのもおすすめです。
プロ並みの録画を無料で!OBS Studioの基本的な使い方
OBS Studio(Open Broadcaster Software)は、ライブ配信や録画に特化した無料ソフトです。プロレベルの高機能を無料で利用できるため、本格的な動画制作にも対応できますよ。
OBS Studioでの基本的な録画設定を説明します。
- OBS Studio公式サイトからソフトをダウンロード・インストール。
- 初回起動時の設定ウィザードで用途に応じた設定を選択。
- ソース欄の「+」ボタンをクリック。
- 画面キャプチャまたはウィンドウキャプチャを選択。
- 録画したい画面やウィンドウを指定。
- 右側の録画開始ボタンをクリック。
- 録画停止ボタンで終了し、指定したフォルダに保存されます。
Bandicamの簡単操作
Bandicamは操作が簡単で、パソコン初心者でも迷わず使える録画ソフトです。無料版では録画時間に制限がありますが、短時間の録画なら十分に活用できます。
Bandicamの基本的な使い方は以下の通りです。
- Bandicam公式サイトから無料版をダウンロード。
- インストール後、Bandicamを起動。
- 画面録画モードを選択(画面領域指定、フルスクリーンなど)。
- 録画ボタン(RECボタン)をクリックして開始。
- 同じボタンをクリックして録画停止。
- ビデオタブから録画したファイルを確認できます。
CamStudioの軽量性能
CamStudioは非常に軽量で、古いパソコンでもスムーズに動作する無料録画ソフトです。システムリソースをほとんど消費しないため、他の作業と並行して録画を行いたい場合に適しています。
シンプルな操作性が特徴で、複雑な設定は必要ありません。録画開始と停止、保存先の指定程度の簡単な操作で高品質な録画が可能です。
パソコン画面録画で音声をクリアに入れるための設定術
画面録画では、視覚的な情報だけでなく音声も重要な要素です。適切な音声設定を行うことで、より分かりやすい録画ができます。
システム音声の録画設定
パソコンから再生される音楽や効果音、動画の音声などを録画に含めたい場合の設定方法を説明します。
Windowsでのシステム音声録画設定手順は以下の通りです。
- タスクバーの音量アイコンを右クリック。
- サウンドの設定を開くを選択。
- 録音タブを開く。
- ステレオミキサーまたはWhat U Hear(パソコン内部で鳴っている音を録音するための機能)が表示されているか確認。
- 表示されていない場合は、空白部分を右クリックして無効なデバイスの表示を選択。
- ステレオミキサーを有効にして既定のデバイスに設定。
マイク音声の同時録音
自分の声による解説を録画に追加したい場合は、マイク音声の設定も重要です。マイクレベルの調整を適切に行うことで、聞き取りやすい音声録画ができます。
マイク設定の確認と調整方法を紹介します。
- サウンド設定の録音タブを開く。
- 使用するマイクを選択してプロパティを開く。
- レベルタブで音量を70-80%程度に調整。
- 拡張タブでノイズ抑制を有効にする(ある場合)。
- 録画ソフト側でもマイク入力が選択されているか確認。
音声品質の最適化
より高品質な音声録画を実現するためのポイントを説明します。
音声品質向上のためのチェックポイントは以下の通りです。
- 録画前にマイクテストを行い、音量レベルを確認。
- 周囲の雑音が少ない環境で録画。
- マイクとの距離を一定に保つ。
- エアコンやファンの音が入らないよう注意。
- 録画ソフトの音声設定で適切なビットレートを選択。
見せたい部分だけを録画!パソコン画面の範囲を指定する3つの方法
効果的な画面録画を行うためには、適切な録画範囲の設定が重要です。用途に応じて最適な範囲を選択することで、見やすい録画ができます。
全画面録画の活用シーン
デスクトップ全体を録画したい場合の設定と活用方法を説明します。
全画面録画は以下のような場面で特に有効です。
- 複数のアプリケーションを使った作業手順の説明。
- デスクトップ環境全体の操作方法の紹介。
- ソフトウェアのインストール手順の記録。
- システム設定の変更手順の説明。
全画面録画では解像度設定の設定がポイントになります。4K モニターを使用している場合は、ファイルサイズが大きくなりすぎないよう注意が必要です。
ウィンドウ指定録画のコツ
特定のアプリケーションウィンドウのみを録画したい場合の設定方法とポイントを紹介します。
ウィンドウ指定録画の手順は以下の通りです。
- 録画したいアプリケーションを起動。
- 録画ソフトでウィンドウキャプチャモードを選択。
- 対象ウィンドウをクリックまたはリストから選択。
- ウィンドウサイズを調整してから録画開始。
- 録画中はウィンドウを最小化しないよう注意。
部分領域録画の精密設定
画面の一部分だけを録画したい場合の範囲指定方法と活用のコツを説明します。
部分録画では、録画範囲の境界線が重要な要素になります。文字や図表が切れないよう、少し余裕を持って範囲設定することをおすすめします。また、録画中に範囲外でマウス操作を行わないよう注意が必要です。
パソコン画面録画がうまくいかない時のトラブル解決策
画面録画中によく発生するトラブルと、その解決方法について説明します。事前に対処法を知っておくことで、スムーズな録画作業ができます。
音声が録音されない問題
画面は録画できているのに音声が入らない場合の対処法を紹介します。
音声デバイスの設定確認が最も重要なポイントになります。以下の手順で設定を見直してみてください。
- Windowsの音量アイコンを右クリックしてサウンド設定を開く。
- 録音デバイスが正しく認識されているか確認。
- 録画ソフトの音声設定で適切なデバイスが選択されているか確認。
- 音量レベルがミュートになっていないかチェック。
- 他のアプリがマイクを「使用中」にしていないか確認。
録画ファイルが保存されない
録画は完了したのにファイルが見つからない場合の対処方法を説明します。
よくある原因と解決策は以下の通りです。
- 保存先フォルダの確認:初期設定では Videos フォルダに保存されることが多い。
- ファイル名の確認:日付や時刻が自動的に付加される場合がある。
- 録画の正常終了:途中で強制終了した場合はファイルが破損する可能性。
- ディスク容量不足:保存先ドライブの空き容量を確認。
- 権限問題:「管理者として実行」を選んでから録画を試してみる。
画質が悪い・カクカクする問題
録画した動画の画質や動きが滑らかでない場合の改善方法を紹介します。
映像のカクカクは、フレームレートとビットレートの調整が効果的な解決策になります。フレームレートは「1秒間あたりのコマ数」のことで、パラパラ漫画の枚数のようなもの。この数値を少し下げると、パソコンの負担が軽くなります。映像がカクカクする場合、まずはフレームレート(1秒間のコマ数)の設定を見直してみましょう。録画ソフトの設定で、フレームレートを「30fps」にしてみてください。これだけで動きがスムーズになることがよくあります。
また、録画中は他の重いアプリケーションを閉じることで、パソコンのリソースを録画に集中させることができます。グラフィックドライバーを最新版に更新することも画質改善に有効です。
録画した動画を上手に保存・活用する3つのコツ
録画が完了した後の保存方法と、録画したファイルの効果的な活用方法について説明します。
適切なファイル形式の選択
用途に応じた最適なファイル形式を選択することで、品質とファイルサイズのバランスを取ることができます。
主要なファイル形式の特徴は以下の通りです。
- MP4:汎用性が高く、多くのデバイスで再生可能。
- WMV:Windowsで標準的、ファイルサイズが比較的小さい。
- MOV:Mac環境で高品質、編集作業に適している。
- AVI:無圧縮で高品質だが、ファイルサイズが大きい。
クラウドストレージでの共有
録画したファイルを他の人と共有したい場合は、クラウドストレージサービスの活用が便利です。容量制限を考慮したファイル圧縮を行うことで、効率的な共有ができますよ。
共有時のポイントを紹介します。
- ファイルサイズを確認し、必要に応じて圧縮。
- Google Drive、OneDrive、Dropboxなどに適したサイズに調整。
- 共有リンクの有効期限や権限設定を適切に行う。
- 受け取る側の環境を考慮したファイル形式を選択。
録画ファイルの編集と加工
録画したファイルをさらに活用するための編集方法を説明します。
基本的な編集作業としては、不要な部分のカット、音声レベルの調整、テキストや矢印の追加などがあります。Windows標準のClipchampや、無料ソフトのDaVinci Resolveなどを使用することで、プロフェッショナルな仕上がりの動画を作成できますね。
まとめ
この記事では、WindowsやMacの標準機能から高機能な無料ソフトまで、様々なパソコン画面録画のやり方を紹介しました。音声を入れる設定や範囲指定のコツさえ掴めば、誰でも簡単に高品質な動画を作成できます。
この記事で紹介した方法を参考に、まずは一番簡単な方法であなたのパソコン画面録画を始めてみませんか?ソフトの操作説明からオンライン会議の記録まで、画面録画はあなたの仕事や学習の可能性を大きく広げてくれるはずです。